全日本ラリーモントレー:鎌田卓麻が今シーズン初表彰台を獲得 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリーモントレー:鎌田卓麻が今シーズン初表彰台を獲得

©SUBARU

2021年の全日本ラリー選手権第6戦MONTRE 2021は、6月13日(日)の競技最終日を終え、SUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一が初日5番手から順位を上げ、今シーズン初の3位表彰台フィニッシュを達成した。前日、パンクを喫してしまった新井敏弘/田中直哉はこの日最初のSS2でパワーステアリングのホースを破損、リタイアとなっている。

(以下広報リリース)


■SUBARUの地元群馬で力走を見せたWRX STI

ラリー最終日はSS2〜SS3の計2SS、SS走行距離39.30km。19.65kmのSSを2回走行するという構成です。天候が不安定になることが予想され、上位を走行する選手のうちでもスペアタイヤを1本搭載するか2本搭載するか、戦略が分かれることに。SUBARU勢は、鎌田がスペアタイヤを2本搭載、新井は初日にパンクを喫してしまったため、スペアを1本搭載して最終日のSSへと向かっていきました。

この日のオープニングとなったSS2では、鎌田が2番手タイムをマークする好走を披露し、総合5番手から3番手まで順位を上げることに成功。新井はこのSSスタート直後にパワーステアリングのトラブルに見舞われてしまいクルマをストップ、惜しくもリタイアという結果になってしまいました。

雨に見舞われたSS3、鎌田は4番手タイムをマークして背後に迫る勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)の追撃を退け、0.9秒差で3番手の座を守り切ってフィニッシュ。シーズン初の表彰台を獲得し、鎌田にとっては次戦からのグラベルラリー3連戦に向けて、いい流れをつかむことのできた1戦となりました。

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■鎌田卓麻「今後もまだまだスピードを上げていける」

3位表彰台を獲得した鎌田は、「初日は残念でしたが、今日は3位に上がることができて良かったです。SS2はドライコンディションで、SS3がウエットという状況です。ウエットになることを見越して、タイヤを2本積んで行ったので、僕らとしてはもう少し雨が降ってくれた方がありがたかったですね。クルマ自体はトラブルがなければ速いことが分かっていましたし、今日はトラブルが出ないようケアしながら走りました」とコメント。

次戦からのグラベルラリーについては「次からの3連戦で巻き返したいと思います。グラベルは得意ですし、クルマもグラベルでの実績があります。それにダンロップタイヤも次のカムイに向けて、もっと良いタイヤを出してくると思うので、今後もまだまだスピードを上げていけると思います。WRX STIの得意な部分をしっかりと伸ばしていきたいですね」と、自信を覗かせました。

新井は「鎌田選手が良いタイムを出せているので、まだスピードを伸ばす余地があることが分かった点は明るい材料です。次からはグラベルラリーになりますので、ここまでの悪い流れをまずは断ち切りたいですね。グラベルは経験値もあるので、ここで流れを良い方向に持っていけるよう頑張っていきたいです」と、気持ちを切り替えてグラベル連戦への意気込みを語りました。

■ディーラーメカニックコメント「日々の仕事も突き詰めていきたいです」

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・担当車両:富士スバル AMS WRX STI
・髙橋慶樹
・新潟スバル自動車株式会社上越藤巻店 メカニック

もともとラリーに興味があり、SUBARUディーラーに入った髙橋。過去のWRC映像などで、ダメージを負ったクルマを素早く修復して送り出すメカニックの手腕に憧れを抱いたとのこと。
「このプロジェクトへの参加を目指して入社しました。また、同じ会社の先輩にも参加した方がいて、色々話を聞いて、さらに行ってみたいと思うようになりました」

実際の作業では、右フロントセクションを担当。タイヤの脱着や各部の点検、増し締めなどを実施している。今回はもともとサービスの回数が少ない設定であり、大きな作業はなかったものの、少ない時間のなかでも得られたものは大きかったようだ。
「ウマをかけて車体の下に潜ったり、低い体勢での作業はやりづらい部分もありましたが、緊張しているなかでも楽しくやることはできました。時間制限でのなかでの作業は最初プレッシャーもありましたが、特に意識して取り組んだ部分です。チームのメカニックの皆さんは作業の確認がすごく早く、動きの簡略化や迷いのなさ、時間が限られている中であれだけの仕事量をこなせることに驚きました。今後は店舗でもそうした意識を持ってやっていきたいですね。正確で見落としのない作業という点については、ラリーカーもお客様のクルマも同じだと思いますので」

3日間を振り返っての感想を聞くと、次のような答えが返ってきた。
「普段の仕事とはまた別の環境で行う作業だったので、新鮮味のある3日間でした。店舗に戻ったら、もっと意識を高く持って仕事に取り組んでいこうと伝えます。ぜひ後輩たちにも参加を勧めたいですね。私自身も、もし次があるならまた出たいと思います。そうした目標をもって、日々の仕事も突き詰めていきたいです」

次戦は7月2日〜4日に開催されるグラベルラリー「ARKラリー・カムイ」。北海道虻田郡ニセコ町を拠点とする今季初のグラベルラリーで、12SS、SS距離106.38kmで争われる予定です。グラベルラリー3連戦に向け、反撃を図るSUBARU勢の力走にご声援をよろしくお願いいたします。



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