全日本ラリー久万高原:初日、全SS制覇の勝田が田口に大差をつけてトップを快走 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー久万高原:初日、全SS制覇の勝田が田口に大差をつけてトップを快走

©Naoki Kobayashi

2024年シーズン全日本ラリー選手権第3戦「久万高原ラリー」の初日は、4月27日(土)に4カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)が田口勝彦/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)に、1分24秒6の大差をつけて初日トップに立った。1分29秒1秒差の総合3番手には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

第2戦唐津からわずか2週間のインターバルを経て、唯一の四国ラウンドとなる久万高原を迎えた。サービスパークは例年どおり「ハイランドパークみかわ」に置かれ、2日間で8SS、105.10㎞を走行。初日は「大谷(12.22km)」と「大川嶺(13.93km)」という2本のSSを午前と午後でリピートし、最終日は同じステージをリバースで走行するという、シンプルなアイテナリーが採用された。

今回、尾根づたいを走行する「大川嶺」が、2019年以来、5年ぶりに復活。このステージは最大標高1400mを走行するため、エンジンパワーの低下や、下りの区間でのブレーキの酷使など、マシンに大きな負荷がかかることになる。また山間部は天候の変化も多く、タイヤ選択が勝負の鍵となることも多い。ラリー初日、事前の予報では晴れとなっていたが、朝から雨となった。ステージでも降ったり止んだりを繰り返しており、コンディションはウエット。さらに、山頂では霧も深く立ち込めている。

オープニングのSS1、前戦唐津のウイナーの新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)が予想外のトラブルに見舞われる。スタート直前に、彼のファビアR5にクラッチトラブルが発生。SS1を発進したものの、950mでマシンを止め、次戦丹後に備えてこの時点でリタイアを決めている。続くSS2では、スタートから4km地点で奴田原文雄/東駿吾(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)がコケに乗ってコースオフ。早くも優勝候補の2台が姿を消してしまった。

ウエットコンディションとなった午前中のセクション、SS1とSS2で連続ベストタイムを刻んだのは勝田。この2本のステージだけで、総合2番手の新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)に48.6秒、総合3番手の田口に52.2秒、福永に58.4秒差をつけて見せる。

ハイランドパークみかわでの中間サービスを挟んだ午後のセクション。雨は小康状態となり、一部路面は渇きつつある。霧が深く立ち込める難しいコンディションのなか、SS3は首位の勝田が福永に11.9秒差をつける3連続ベスト。続くSS4でも、勝田が田口に15.0秒差をつけ、終わってみれば、この日行われたすべてのSSで一番時計をマークし、2番手以下に1分20秒以上のアドバンテージを得て、初日を終えた。

「今日は、いいフィーリングで走ることができました。特にタイヤがすごく良かったですね。ただ、新井大輝選手と奴田原選手がリタイアしてしまったので、スピード的に速かったのかは分かりません。明日、再出走した段階でどうなるかですね。それでも丹後に向けてできることをしっかりしたいです」と、勝田は1日を振り返った。

新井敏弘は乾きつつある路面で思うようにペースが上がらず、SS4でセカンドベストを記録した田口が、首位から1分24秒6差ながらも総合2番手に浮上。ただ、その4.5秒差には総合3番手の福永がピタリと付けている。福永から5.4秒差の総合4番手には新井敏弘。2番手田口から3番手新井敏弘までは、10秒差以内にひしめいており、まだまだ分からない状況だ。

首位勝田からは大きく引き離されたものの、総合2番手につける田口は「久万高原は嫌いじゃないタイプのステージなので、それなりに走れましたね。路面に関しては、尾根を走るSS4は乾きつつありましたが、SS3は1回目よりも滑る感じがありました。明日も、このままのペースをキープしながら、ポジションを守りたいですね」と、笑顔で語っている。



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