速く走れてる時って何を考えているか?
・見えてるコース、その先を含めたライン取りと
アクセルをどうやって全開区間を長くとるか?
常にこれだけ
その他の事はほとんど考えていない。
ドライビングテクニックとか、そんな事は練習で体に染み込ませてあるので勝手に体が動く。
そこまでやり込んでおく。
どうやってその状況を作るのか?
これには、意図して邪魔な情報(頭に浮かぶ不安)を削除していく事が必要でした。
①車づくり
不安の無い状態を作る為、可能な限り完全な状態で挑む。
「なーんだ、当たり前じゃん」って思うのですが、本当にできているか?
例えば、すぐにできる事で言えば
・”異音がしない車内”
「ガタガタ」、「コトコト」、「ミシミシ」
競技を本気で取り組むまでは気にしていなかった事ですが、ある選手に指摘されて
ここに気を使った車づくりをしたら、とっても集中できるようになりました。
車内に置くクロスレンチや三角停止板や車載工具とかの固定をしっかり行う事。
その他、部品や計器の取り付け、電気の配線など走行振動でズレたりしない様に、不安を取り除く。
・”車両のメンテナンス”
普通に思いつく限りのメンテナンスをして挑むけど、特にオイルメーカーさんから言われた
「オイルで不安を解消出来たら、気にせずにシフトできたりアクセル踏めるでしょ」の言葉
心配なくギアを繋ぎ変えられる事、アクセルを踏んで高負荷掛けられる事、その為に高い性能の
オイルを入れる。LSDの効き始めをソリッドにしたくてわざと油膜薄目なオイルも試しましたが
シフトチェンジの際に一度「カリッ!」と音がしたのをきっかけに次のシフトから慎重に成ってしまった。
なんてことがありました。シフトチェンジの回数はSS1本で100回とか普通にあるので、その度に
0.1秒ロスすると10秒遅くなるって事。
大きなロスでしょ?
・”タイヤ準備”
競技の際に新品タイヤを準備するのは当たり前。
中古だっていいじゃん?良いけど必ず狙った性能出せるか?
ラリーは長丁場だけど、使えるタイヤ本数が決まってました。プライベーターだから金銭的にも
新品タイヤを温存したくて1ループ帰ってくるまでもつ筈だと中途半端なタイヤを使ったとき
大抵こういう時にコースアウトや、ヒヤリが起きる。自分が思っていたグリップを得られないって瞬間。
タイヤのゴムは、新品状態から熱が入って、グリップ状態が安定して摩耗が少ないうちはブロックが
よれながら熱を維持して走れるけど、一度冷えてからの暖まりは新品の時と比べてかなり変化します。
不安なく、予想通りのグリップを信頼して使う為に、新品を使う
しかも製造年にもこだわり、出来るだけフレッシュなコンパウンドで安定した性能を。
タイヤの熱、エア圧を意図的に走り方でコントロール出来るように成ると、
SS1からベストタイム!とかって狙えるようになるよね。
・”ブレーキ”
もちろん僕的に最も大事なブレーキ
何度もテストしてどんな状況でも意図した減速できる事。冷えてる状態、暖まった状態の
特性を理解してコントロールする。フルードも定期的に入れ替えて完全な状態を維持する。
・”他”
足回り増し締め、ドライビングポジション、シートベルトの張り具合、ハンドルのガタ無い事
基本的な事が一つでも気に成ったら、全開で集中して戦う事は難しくなる。
当たり前の事と言えばそれまでだけど、思い知らされた内容なので書いておきました。
②環境作り
これは、自分を取り巻く人・物・金の環境を整える事
・”人”
一番大事なコドライバー。意識の高い人が良い。準備から違う。時間もコントロールしてくれる。
ドライビングに集中させてくれるコドライバーと組むのが最も良い。
あとサポートメンバー、何が起きてもサービスへ連絡取れれば解決できる安心感があると不安が無い。
・”物”
タイヤや、スペアパーツ、工具、油脂類、必要なものが揃っている事が安心感に繋がる。
・”金”
常に貧乏所帯でやって来たので、コレの大事さがメッチャ染みる。
仕事でとっても頑張って金稼いだし、責任高い仕事やキツイ出張も沢山行った。
よく「お金が有ったら競技出るんだけどなぁ」みたいなのを聞く事あるけど、そうじゃなくて
「競技に出る(そして勝つ)為に、沢山お金を稼ぐ」んだよね。頑張っている人は皆そうだった。
節約して車にお金を回す、そんなのは当たり前で+αをして行かなくちゃお金は集まらない。
努力して無い人にスポンサー様は付かない。本気で戦ってる人に共感してスポンサー様が付くもんだ。
③健康状態
最後に「お腹痛い・・」とか「熱があって・・」とか当日に成らない様に、
睡眠を充分に取ったり、風邪予防や前日に生モノ食べないとかはしてたかな。
ただ、①②がしっかり出来ていて集中さえできればスタートのカウントダウンと共に
痛みとかは忘れられたりするけどね。体力無いとゴールまでもたないもんね。
当たり前の事ばっかりじゃん。でも本当にそうか?
一つ一つの状況をしっかりと意図して行動していく事で
この状態を作れるのであって、そんなに簡単な事じゃ無いと思っています。
バリバリ伝説の巨摩選手は「誰よりも速く、それっきゃねーや!」
OVER DRIVEの桧山直純は「攻めなきゃ勝てねーから!怖いと思った瞬間負けなんだよ」
勝ちにこだわる精神状態を100%活かす状況を意図して作って、
ドライバーが「速く走る事」だけに集中できる状況を作る。
そうすると冒頭の
・見えてるコース、その先を含めたライン取りと
アクセルをどうやって全開区間を長くとるか?
これだけを考えて走れるように出来て来る。