トラクション走法について(For Rally Driving) | ラリーというスポーツを精一杯楽しみたいのです

ラリーというスポーツを精一杯楽しみたいのです

ラリーを始めてみたい人の道しるべになれば幸いです。

いろんな駆動方式をラリーで使ってきた経験二十数年(^^
ジジイになって分かってきたことは駆動方式が変わっても

基本の考え方はほとんど変わらないんだなぁーって事。

舗装でもダートでも、雪でもあまり変わらない。

操作のタイミングが変わるだけ。(μが低いほど早めの操作)

 

一般的なレーシングドライブとは違うかも知れませんので

(いわゆるグリップ走法とかドリフト走法とかでは分類しにくい)

細かい異論とか受け付けませーん。

 

私流の一つの結論は

ブレーキングを直線で終わらせて、アクセルオンでターンインして

アクセルオンのままファーストアウトする。

このトラクションを掛け続ける走法を

命名「トラクション走法」

と名付けます。

スローインファストアウトではない。

言うなれば、ブレーキング、ファストインファストアウト。

車の機構とタイヤのグリップ力、トラクションを目一杯使おうとするとこうなる。

WRCで走っている車の動きを見てもそうなっているはずはずです。

ポイントはターンイン(ハンドル切り始め)からアクセルオンな事です。

 

下図は2つの駆動方式のみを図解していますが

FRはミッドシップをほぼ同じ

4WDはFFベースの4WDはターンインがFFの図、立ち上がりはミッドシップと同様

のイメージです。

”トラクションオン”と表現しているのは

グリップしている状態でもホイールスピンしている状態でも良いので

”駆動力”が掛かっている状態をイメージしています。

できるだけアクセルオン(全開)の状態を維持して、アクセルオンオフを

細かに行わない方がエンジン制御上も車の姿勢制御上も最も安定する。

 

アクセルオンのまま、どのように速度微調整するのかと言うと

・MRやFRはドリフト抵抗(滑り角度)で調整する。

・FFはアンダーステアの抵抗(滑り角度)で調整する

 

なんでアクセルオン(全開)のままでコーナリングするのか?

古いワイヤードアクセル&キャブの車はアクセルコントロールで調整で良かったのですが

電子スイッチ化したアクセルペダルとEFI燃料噴射のエンジンコントロールでは

アクセルオフにより、燃料マップが最高効率のマップから一度外れるのと

電子スロットルの反応がモーター動作により人の感覚動作より遅れが出る事も

考えるとコンマ数秒ずつのロスが発生する。数百コーナーも走り抜けるラリーでは

1アクセルオン毎のこのロスは数十秒以上のタイムロスになってしまう。

だからアクセル全開を緩めたくないんです。

右足はアクセル全開のままで左足ブレーキで走行ラインを調整する方法もありますが

エンジンの回転数が下がってしまうので、ターボ車以外ではあまりお勧めではない。

 

さらに・・アクセルをオフすると

コーナリング姿勢で安定したリア荷重の状態から

不安定なフロント荷重の状態に変化し、スピンやパンクのリスクが大きくなります。

(パンクのリスク⇒操舵により大きくたわんだタイヤに荷重が掛かりサイドウォール切れ

            やリム外れ、トレッドの端から捲れるトレッド剥がれなどが起きやすくなる)

どうしてもアクセルを緩めなければ成らない時は、全閉ではなくて

全開⇒半開⇒全開

のように、ちょっとだけ緩めるという方法も有りです。

ただし、コーナリング初期段階で行いコーナー脱出に向けては早めに全開に戻すように。

 

かつて、僕が若かりし頃は

コーナリングの2大基本は

 ・アウトインアウト

 ・スローインファストアウト

と教わった。

20年もかけて考え方をちょっとだけ変える事ができた。

車の進歩や技術の進歩があるように、コーナリングの技術も進歩する。

そしてまたそれに合わせて車の技術やタイヤの技術も進歩する。

 

未だにドライビングの奥深さを感じて勉強中です。

去年より今年、昨日より今日。50を過ぎても進化し続けてるなーって感じてます。