全日本ラリー唐津:初日の5SSでベストを刻んだ新井大輝が、勝田範彦に大差をつけて首位 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー唐津:初日の5SSでベストを刻んだ新井大輝が、勝田範彦に大差をつけて首位

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2024年シーズン全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2024 in 唐津」の初日は、4月13日(土曜日)に 6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)が勝田範彦/木村裕介(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)に、40.2秒差をつけて初日トップに立った。48.1秒差の3番手には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

開幕戦三河湾ラリーから1カ月半のインターバルを経て、全日本ラリーはカレンダー唯一の九州ラウンド「ツール・ド・九州2024 in 唐津」を迎えた。サービスパークは例年どおり「ボートレースからつ」に置かれ、2日間で12SS、76.78㎞を走行する。唐津のステージは大きく回り込んだ見通しの悪いロングコーナーと、タイヤへの攻撃性が高い路面が特徴。レッキを終えたクルーは路面に生えた苔を警戒しており、イレギュラーなグリップ変化には注意が必要だ。

トップカテゴリーのJN-1クラスは、前戦に続き、手術を終えたばかりのヘイキ・コバライネンが欠場。ラリーチーム・アイセロのトヨタGRヤリス・ラリー2のステアリングは今回も田口勝彦が握る。スバルWRX S4で参戦する新井敏弘は、マシンにさらなる軽量化を実施し、ターマックでの挽回を狙っている。

ラリー初日は「MIKAERINOTAKI(10.38km)」、「AMANOGAWA(4.95km)」、「SAYO LAKE(7.58km)」の3SSを、サービスを挟んで午前と午後でループする6SS、45.80km。ラリーはボートレースからつをスタートし、市内唐津神社でのセレモニーを実施。春らしい青空が広がるなか、多くの観客からの歓声に見送られながらクルーはステージへと向かった。

オープニングのSS1で幸先良くベスタイムを刻んだのは、不調をきたしていたギヤボックスに修理を施した新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)。このステージだけで2番手の福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に11.5秒、3番手の新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)に15.5秒も突き放してみせる。一方、前戦優勝の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)はエンジンのトラブルに見舞われて、ここだけで14.6秒も遅れてしまった。

また、このステージでは奴田原文雄/東駿吾が、スタートから1km地点の左コーナーでまさかのコースオフ。マシンに大きなダメージはなかったものの、コース復帰は叶わず、早くもデイリタイアを選ぶことになった。

SS2、SS3も新井大輝が制し、圧巻の3連続ベストマーク。午前中のセクションを終えて、総合2番手の福永に対し、25.6秒ものアドバンテージを握った。新井敏弘はマシンの軽量化が功を奏し、R5/ラリー2勢に割って入る27.8秒差の3番手。エンジンにトラブルを抱えたまま走り続けた勝田はペースを上げることができず、41.2秒差の4番手に沈む。その後方、42.0秒差の5番手に鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)、42.2秒差の6番手に田口勝彦/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)が僅差で続く。

サービスを挟んだ午後のセクション。サービスでエンジンを修復した勝田が、SS4で新井大輝に3.8秒差の一番時計をマーク。このステージは13.5秒差の5番手に沈んだ新井敏弘を捉えて、総合3番手にポジションアップを果たした。SS5は0.3秒差ながらも勝田を新井大輝が上まわり、この日4度目のベスト。セカンドベストの勝田が、福永をパスし、2番手に順位を上げた。

この日の最後を締めくくるSS6も新井大輝が勝田に2.5秒差で獲り、終わってみれば6SS中5SSを制する強さを見せて、初日をトップで折り返した。

「午後は燃料タンクとプロペラシャフトが干渉する音が聞こえていたので、それをケアしながら走りました。その時点で30秒差があったので、ブーストも落としましたし、クルマを消耗させるタイミングではないと考えました。この状態で勝田選手といいペースで戦えていることは、ポジティブに考えています。明日は40秒のアドバンテージがありますし、普段テストができないので、久万高原も視野に入れた位置付けで走りたいです」と、新井大輝は振り返った。

エンジントラブルによる午前中の遅れが響いた勝田は、新井大輝から40.2秒差の総合2番手。「午前中はストレスが溜まりましたが、午後はエンジンも直して気持ち良く走ることができました。SS6ではちょっと失敗しましたけど(笑)。午後の1本目でベストを獲りましたが、続く2本は大輝選手が速かったですね。40秒差はもうどうしようもないので、明日は2番手を守ってフィニッシュしたいです」と、2番手堅守を宣言した。

48.1秒差の総合3番手に福永、57.3秒差の総合4番手に新井敏弘、59.8秒差の総合5番手に田口、1分36秒1差の総合6番手に眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリスDAT)。午前中、5番手につけていた鎌田はSS4でスピンを喫してタイムロス、1分53秒9差の7番手にポジションを落としている。



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