僕が使っているクラッチのディスクは純正互換品です。
クラッチカバーはTRDの強化、フライホイールはTRDの軽量版を使っています。
クラッチディスク EXEDY TYD035U ・・・5,000円位
クラッチカバー TRD 31210-AE100 ・・・25,000円位
フライホイール TRD 13405-TF210 ・・・不明(生産中止)
「140ps程度しかない車に強力なクラッチは必要ありません。」
ラリーを何回も戦って、それなりに成績も残してそれから5年以上も走ってるけど問題無いので。
いまのディスクを使うように成ったのには、レースカーやチューニングカーを長年手掛けている小山スピードさんの助言が有りました。
ターボや大排気量で大きなトルクを発生するならいざ知らず、ラリーでは摩材系フェーシングのディスクが良いよ。
軽量な車両ではメタルクラッチは要らない。
(この話での摩材系=オルガニック素材ベースの摩擦材を使用したもの、触れたその場から滑り抵抗が高い)
それまでずっとメタルクラッチを使用してきた僕には衝撃的な言葉でした。
そして、数万円の部品代を覚悟していた僕の財布から出たのはたったの5,000円。
まぁ、レリーズベアリングも同時交換とか、工賃は別(自宅の庭でセルフ交換なのでタダ)ですが。
なぜ摩材系のクラッチディスクが良いのか?
・クラッチディスクがフライホイールとクラッチカバーに挟まれ触れた瞬間から駆動力が発生する
イメージは紙やすりを金属に押し付けるとギュッと押すまでも無く最初から抵抗ある感じ、ただし大きな力には耐えられない。
・メタルディスクはフライホイールとクラッチカバーに挟まれると、まずは滑って、ある圧力を越えるとミクロに表面が溶けて密着し強力なロック力を発生する。
一度貼り付けば挟み込み圧力を緩めなければ簡単には滑らないし、大きな力に耐える。
まとめると
・摩材系クラッチは触れた瞬間から滑りながらも駆動を発生し駆動が掛かっていく
・メタルクラッチは短い時間足で言うと「滑ってからロックする」
重い車や、ハイパワー車+ハイグリップタイヤではメタルクラッチは必須だが、MR-Sのような軽くてパワーが少ない車では摩材系のクラッチディスクが合っている。
ラリーでは1本のSSで100くらいのコーナーがあるとして、クラッチを繋ぐ操作は1コーナーあたり2回として200回のクラッチミートの瞬間が訪れる。言うまでも無く「滑ってからロックする」よりも「触れた瞬間から駆動」の方がタイムロスが少ない。
0.1秒/回としても20秒程度のタイム優位性が生まれる。
僕は、ヴィッツの時もMR-Sでも基本ノーマル系のクラッチでラリーを戦っています。
ところで、ディスクの摩擦材以外の所でレーシングクラッチのメリットは無いの?
いや、しっかりとメリットあります!
カバー、ディスク、フライホイールキットなど、とても軽量に作られていたり、剛性が高いカバーに成っていたり、フィーリングやエンジンレスポンスを大きく向上させるものもあります。
自分の車の特性と、走らせるステージに合わせて選ぶと良いですね。